調査のポイントを事前に確認・チェックし、
準備をしましょう。
指摘されるポイントを事前にしっかりと把握し、対策をします。普段からの備えをすることで
税務調査の対象になった場合でも慌てず対応することが可能になります。
売上計上
税務調査でまずポイントとなるのが売上です。
売上計上をチェックすることで、売上の除外や締め後の計上漏れなどの計上でのミス、場合によっては意図的な脱税といった不正を見つけることが出来るためです。そのため、売上の除外や計上漏れなどのミスはないか、繰延べはないかをチェックしましょう。また、次のような会社はチェック対象になりやすいと思われます。
チェック対象になりやすい会社
- ▢ 現金での売上が多い。
- ▢ 売上が大幅に上下した場合。
- ▢ 業績が順調なのに、申告額が少ない。
- ▢ 支店が多い。
- ▢ 営業マンが直接現金回収をすることが多い場合。
- ▢ 第三者を通して、売上管理や代金回収をしている。
金銭の貸借
会社が経営者に対し金銭の貸付を行っている、もしくはその逆である場合には、特に注目されやすいです。
そのため、金銭の流れや使途を明確にしておく必要があります。
給与
会社経営を家族で行っている場合には、役員報酬に注目をされる可能性があります。
役員の職務の内容や会社の経営状態、他の社員の給与支給状況、事業規模が類似する同業他社の役員報酬の支給状況などをチェックし、適正な金額を給与として出しているのかがポイントとなります。更に、株主総会等の決議(または定款の規定)により定めている報酬限度額以内となっていることが必要です。また、架空人件費の可能性もチェックします。そのため、従業員名簿・出勤簿・タイムカード等の勤務実績を保管しておく必要があります。
在庫や棚卸資産
販売されることにより現金化される棚卸資産は税務調査の大切なポイントになります。棚卸資産によって大きく税額が変動する可能性があるためです。
棚卸資産により税額が変動する可能性
- ▢ 棚卸除外はないか。
- ▢ 棚卸資産の数量、評価は過小ではないか。
- ▢ 評価損、廃棄損の計上は妥当か。
実地棚卸方法の流れの確認
- ▢ 棚卸資産計上までの過程の聞き取りをする。
- ▢ 実地棚卸の際の原始記録を確認する。
- ▢ 棚卸資産の保管状況を現場に臨場して確認する。
- ▢ 期末前後の売上、仕入から期末数量の
妥当性を検討する。 - ▢ 調査日現在の商品有高から期末数量の
妥当性を検討する。 - ▢ 預け在庫の計上漏れの有無を検討する。
- ▢ 仕入単価などから期末評価の妥当性を検討する。
- ▢ 評価損計上の妥当性を検討する。
- ▢ 廃棄損計上の妥当性を検討する。
接待交際費
接待交際費の範囲はとても広いため、適切に処理できていない可能性があります。
接待交際費であるべきものが他の科目に分類されていたり、その逆であったりする場合が多く見受けられます。
接待交際費のポイント
- ▢ 本来交際費に該当する取引を交際費に
該当しない取引に仮装して処理していないか。 - ▢ 交際費の中に個人的経費や使途秘匿金に
該当するものが含まれていないか。 - ▢ 交際費以外の費用科目の中に
交際費に該当するものが含まれていないか。 - ▢ 固定資産や棚卸資産の取得価額の中に
交際費に該当するものが含まれていないか。 - ▢ 「5千円以下飲食」で計上している場合、
要件は整えられているか。
また、該当しないものが計上されていないか。 - ▢ 架空の交際費の計上はないか。
修繕費
調査のポイントとしては次のようなものがあります。
修繕費のチェックポイント
- ▢ 修繕費の中に、本来資産(資本的資質)として計上すべきものがないか。
- ▢ 修繕費の計上時期は妥当か。
- ▢ 架空の修繕費の計上はないか。
- ▢ 工事業者と打ち合わせをして、請求書の中身を変えていないか。
使途不明金
使途不明金は、必ず指摘されます。使途不明金は損金にすることが出来ません。必ず、どんな目的に使用したのかを説明できる状態にしておく必要があります。税務調査で対策すべきポイントはこれだけではありません。その他にも数多くの項目があります。